Imai_Kaneko'88(Y.Hayashi)

新しい情報観

動的情報:
絶えず動く変化の上での特定時点の情報で, 変化の中での意味が十分に 解釈されている情報.

変わりゆく状況の中で臨機応変に対処する為の, 動いている状態にある情報.

場面情報:
身体を通じた判断で読む情報(現場を重視).

コンテクストに基づく主観的な情報

著者らは, コンテクストを, 「過去のインタラクションの経験の蓄積で将来 の期待を形成するもとになるもの」と, 文脈を, 「より一般的な状況を指す」と定義している.

動的な不確実性:
意思決定者の手元に情報がないという静的な不確実性ではなく, 情報の意味や解釈が意味形成の相互関係の中でダイナミックに自己組織的に 形成されることによる動的な不確実性.

客観的なものは科学的であり「正当的」であるという固定観念を廃して, 既成の概念や理解の枠組をいったん離れて物事をつかみ直すよう, 場面情報の連結から, 新しい関係が生まれ, 意味が問い直され, 自分と他人の境界が引き直され, 目的がとらえ直される.

場面情報とは, そういう動的な相互作用を生み出す契機 となる.


林 幸雄 (yhayashi@jaist.ac.jp)
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