Imai_Kaneko'88(Y.Hayashi)
産業革命の立役者
<混沌とした情報革命の現場>
コーヒーハウスという
多種多様の私的集まりにおける,
ダイナミックな情報伝搬と情報メディア(新聞)の拡がりによって, 特権階級に
独占された情報が市民のものとなった.
<時代を読んだネットワーカ>
印刷工のフランクリンと産業家ボールトンとの個人的交流から端を発した私的な集まり
を通じて, ワットは(彼の新技術に「動力」としての可能性を直観した)ボールトンから
資金援助を受けて蒸気機関を実用化することが出来た.
その集まりには, 気体化学の先駆者, ワットの為に後にピストンを提供した鉄鋼技師を
はじめとして,
医者, 文学者, 陶器製作家や後の石炭ガス発明者などが参加していた.
フランクリンこそ, 時代の脈略を読み, 行動することでこれらの人々に働きかけ,
共感を得ることで人を動かし, 人々が自発的に行動し, 結合するための水路をつけた
時代の変革期における偉大なネットワーカであり「編集者」である.
人と科学技術と思想の多様で活発な交流
が起こり, それを支える社会基盤が形成され,
それに伴い, 社会を支配していた考え方や権威が崩壊し,
社会, 経済のさまざまな要素の組み替えが起こった.
林 幸雄
(yhayashi@jaist.ac.jp)
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