「数学を理解する場合の「わかった」とは?
数学を理解する場合, 数式などで書かれた数学(数学的形式)の論理的な展開を追従し
て, その形式的な操作(式の変形や仮定との無矛盾性など)に誤りがないことを確かめ
たとしても, 本当に「わかった」という実感がわかない状況を経験したことは多いと
思われる.
こうした疑問は, 数学的形式が数学理解の為の氷山の一角で, その水面下の部分が
「わからない」ことによる.
すなわち, その論理展開をどうやって思いつき,
何故そうしなければならなかったかが
実感できなければ「わかった」気がしないのである.
水面下の部分は, 右脳的な無意識のイメージで, 活字型とモヤモヤ型の2つのタイプが
存在するようである.
銀林によれば,
活字型は代数をやっている
人に多く, 各要素が操作可能なレイアウト的感覚が理解にとって重要となる.
一方, モヤモヤ型は解析学をやっている人に多く,
全体が一体の図形や絵のような関係構造が理解にとって重要となる.
林 幸雄
(yhayashi@jaist.ac.jp)
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