Last modified:
2 June 2001
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アブストラクト |
聴覚フィルタとして提案されてきたが、時変系とするには演算コストの高いFIR
フィルタでしか構成できていなかったガンマチャープフィルタの効率を上げるこ
とを検討した。ガンマトーンフィルタと少ない係数のIIRフィルタで構成した非
対称性補償フィルタを組み合わせることにより、これを精度高く構成できること
を示した。また、時変系の聴覚末梢系を模擬するため、ガンマトーンフィルタバ
ンク・非対称性補償フィルタバンク・パラメータ制御回路からなるガンマチャー
プフィルタバンクの構成法も示した。IIRの非対称性補償フィルタは順フィルタ
ばかりでなく逆フィルタも安定性が保証されることを示し、時変系の聴覚フィル
タバンクの分析合成系が線形系の精度で構成できることを示した。これは、従来
の聴覚フィルタでは達成できなかった本方式の特徴で、人間の聴覚特性を考慮し
た周波数分析のみならず、その変形・合成が必要とされるさまざまな信号処理に
応用可能である。
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Created by M. Unoki, 2 June 2001
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