スチールウールをうすい塩酸に溶かし,溶液をじょう発皿で加熱して得られる固体を再び水に溶かす実験がある。
この実験は鉄の状態が複雑なため,鉄イオン(II)か(III)のどちらか見かけ上決め難い。
ところが,塩化鉄(II)の生成を仮定して次の実験である塩の水溶解性を調べる。
これはじょう発のさせ方によって,塩が異なる。すなわち,
1.塩化鉄(II)か塩化鉄(III)ができる
2.酸化鉄(II)か酸化鉄(III)ができる
1の結果で,塩化鉄(II)ができると教科書では仮定されている。しかし,実際は塩化鉄(II)と塩化鉄(III)の混合物である。
ところが,水に対する溶解度差はあるが,どちらも水溶性であり,問題はない。
2の結果は,水溶性に問題が生じる。じょう発皿で塩酸溶液を加熱し過ぎると,酸化鉄ができる。
酸化鉄には色々な種類があるが,三二酸化鉄(化学式では,Fe2O3)が身近にある。即ち赤錆(あかさび)である。
当然のことながら,水には溶けない。
写真で加熱温度と時間による,それらのでき方をみると,左:低い短いと塩化鉄,右:長いと酸化鉄
2019.1.14 作成