薬品の名前
小学校で使う薬品の名称は,統一されていない。
例えば,アルコールといえば,エタノールを意味することが多くあります。この名称由来は,エチルアルコールのアルコールだけを使った表現です。それでは,エチルアルコールが正式名かというと,これは慣用名です。正式名はエタノールです。つまり,IUPAC(国際純正・応用化学連合)名の日本語表記です。
それでは,エタノールを使えばよいかというと,用途によって習慣があり,エタノールは馴染みがありません。例えば,アルコール消毒をエタノール消毒,アルコール5%を含むをエタノール5%を含むとは言いませんね。理科でも混乱して使われることがあります。アルコールランプです。アルコールだからエタノールを使うかと誤解されますが,これはメタノールを使います。エタノールを使ってススだらけになり,火力が上がらないことがあって,はっと気付く人もいます。
小学校で使う薬品種類数は多くないので,混乱が少ないと想像されますが,「薬品管理や薬品調査・発注依頼」などでは正式名を使います。よう素液を「ヨウ素」と短く言ったのでは,固体のよう素と間違います。よう素液は,よう素・よう化カリウム水溶液です。省略した名前を使わないようにします。
ここで,平仮名と片仮名の違いがあるのか,調べてみました。漢字で書かれる薬品名には平仮名で書くようにされています。沃素はよう素となり,硼酸はほう酸となっています。特に,薬品のカタログでは平仮名で表記されています。では,よう素をヨウ素と片仮名で書くと誤りでしょうか。いいえ,間違えではありません。教科書ではヨウ素液と書かれ,よう素液ではありません。日本化学会では片仮名を用いてヨウ素と書いています。
薬品を正式名で記載するのが基本ですが,正式名は長くなったり,慣用されていないため,小学校では慣用名や一般名を使っています。例えば,食塩(純粋な物は塩化ナトリウム),ミョウバン(硫酸カリウムアルミニウム十二水和物),ぶどう糖(グルコース),砂糖(純粋な物はスクロース,ショ糖)となります。
★小学校理科薬品についてリンク