[[Research topics]]
我々の体の動きは、自然かつ滑らかであり、あるときは優雅さを、またあるときは荒々しさを暗黙のうちに示す。社会的な状況下において、こうした身体動作に埋め込まれた感情、意図、状況などを読み取り、また表現する事は、他者との非言語的なコミュニケーションの基盤となっている。こうした身体動作に内在する状況性の認知が容易く行われる一方、その生成・認識の計算論的メカニズムには解明すべき点が多い。
身体動作は本質的に多自由度の筋骨格系の時間変化として記述でき、一般に1つの目標運動(端点)に対し、それを実現する身体座標が無数に存在する冗長な系である。従って、Berstein (1967)の問題提起以降、目標運動を一意に生成するために、身体自由度の制約に関して多くの研究が進められてきた。従って、先行研究では身体動作に内在する状況性は、動作の種類により異なると考えられ、個別動作に関するヒューリスティックスによりモデル化されてきた。本研究では、複数の状況性(喜び、怒り、悲しみ、中立の情動的文脈)における数種の動作を情報理論的手法に基づき解析した。その結果、身体動作の状況性を反映した動作の種類に不変な特徴量がある事が明らかになった。これは、身体自由度は単なる冗長性ではなく、社会的な認知の情報チャンネルを提供している可能性を示している。
[[Research topics]]
**身体動作から情動の推定へ [#i060e2d6]
人の身体動作から、その人が内的に抱く情動の種類を推定する方法を提案した。言い換えれば、人が他者の振る舞いから“空気を読む”ためにどのようなメカニズムであれば可能であるか理論的・実験的に調べた研究である。既に公開されている身体動作データベース(Ma et al., 2007)を用いて(図1)、その動作から動作主の情動の状態を推定するためのアルゴリズムの開発を行った。さらに、開発後、そのアルゴリズムを検証するために、予備的な認知実験を行った。この認知実験では、被験者10名が、他者の身体動作の一部を見て、その動作主の情動を推定し答える課題が与えられた。実験の結果、3種類の情動の状態を推定した正答率は、10名のの平均で70%であった。一方、開発アルゴリズムを同じ身体動作に適用した結果、平均的な正答率は72%であり、人の推定と同程度の正答率を示した。また、誤答のパタンも人と類似しており、人とモデルの結果を比べることにより、人がどのような情報から情動を推定しているのか、いくつかの示唆が得られた。
#ref(http://www.jaist.ac.jp/~shhidaka/image/PointLightBody.png,200x100)
図 1/Figure 1
**Modeling Imitation learning/Bodily actions [#g70b0204]
Imitation of others gives a foundational ground for mutual understanding
and efficient learning. I proposed a new model for emotional attribute
discrimination from human bodily action in unknown emotional contexts.
**Related papers (See also [[other publications>Publications]]/ 関連する発表論文 ([[その他の論文など>Publications]]) [#da05c446]
#todo('',%MotorControl%)
#todo('',%NonlinearTimeSeries%)
-Hidaka, S., Yu, C. (2010) Analyzing Multimodal Time Series as Dynamical Systems, ICMI-MLMI 2010. [[(pdf):http://www.jaist.ac.jp/~shhidaka/cv_publications/ICMI2010.pdf]]
** [[References/参考文献>References#d1928d38]] [#b305ee1e]
#todo('',%ImitationRef%)
//-Hidaka, S. (2012) Identifying Kinematic Cues for Action Style Recognition. In Proceedings of The Thirty Fourth Annual Meeting of Cognitive Science Society [[(CogSci2012):http://cognitivesciencesociety.org/conference2012/index.html]].
//-Hidaka, S. & Yu, C. (2011) Information Theoretical Approach to Statistical Network in Bodily Actions. The 44th Annual Meeting of the Society for Mathematical Psychology (SMP), Tufts University [[(pdf):http://www.mathpsych.org/conferences/2011/images/programmp2011_4-2.pdf]].
//-Hidaka, S., Yu, C. (2010) Analyzing Multimodal Time Series as Dynamical Systems, ICMI-MLMI 2010. [[(pdf):http://www.jaist.ac.jp/~shhidaka/cv_publications/ICMI2010.pdf]]