Sorry for the Japanese text below. My personal interests follow ...
嵯峨山茂樹 : 趣味など
◆ クラシック音楽
若い頃からクラシック音楽が好きです。大学に移って、やっと研究対象の一つ
として音楽を取り上げることができるようになって、嬉しい限りです。最近は、
ついに情報処理学会の音楽情報処理研究会に出入りしています。まだ音楽学会
までは行っていないけど。
小学校の頃から何も分からずになんとなく音楽が好きだったのですが、中学校
の先生が熱心で和声学のさわりを教えてくれたり合奏したり、音楽の試験の成
績が全科目の中で一番良かったこともあり、はっきり好きになりました。高校
では合唱に強く誘われ、飽きるほど毎日合唱の練習をして全国優勝したりで、
ますます音楽に関心が強くなりました。受験勉強の合間はピアノを弾くか和声
学の演習問題をやっていました。卒業間近のころ休み時間ごとに五線紙を広げ
ている私を見て、音楽大学を受験すると本気で信じていた同級生もいたくらい
です。そうすれば良かったのかな?
大学では、また合唱(東京大学柏葉会合唱団)を続け、いっそう音楽に埋没する
生活でした。教養課程で杉山好先生の「バッハの初期のカンタータ」のゼミを
受けて、それが私のバッハへの関心を決定づけました。同じゼミ生であった礒
山雅さんは、いま国立音大教授として音楽史の第一人者になっています。他に
もスイスでフルートの教授になった人がいるとか。柏葉会合唱団の親しい後輩
には横浜国立大学の茂木一衞教授(音楽学)もいます。これらの人たちのように
好きな音楽を専門とすることができた人々は羨ましいです。
就職後は、いくつかの合唱団に出入りしながら、大曲から小曲までいろいろや
りましたが、やはり研究優先で、音楽はスローダウン。大学時代以来、知識は
あまり増えていないなあと思います。
音楽の趣味
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聴くこと
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バッハ: 声楽・合唱曲とオルガン曲。全カンタータ(特に
Muehlhausen, Waimar 時代の初期のモテット風の教会カンタータ群 BWV. 4,
12, 18, 21, 61, 75, 106, 132, 150, 182, etc.)、モテト、受難曲、
オルガンコラール(Orgelbuechlein, Klavieruebung III, 18 Choraele,
新発見の33のコラールなど)
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バッハの源流: バッハ一族 (Johann Christoph, Johann Michael, et al.)、
同時代の音楽家 (D. Buxtehude, J. Pachelbel, G. Boehm, A. Hasse,
G. P. Telemann, J. D. Zelenka, F. Tunder, et al.)、
ドイツプロテスタント音楽(H. Schuetz, M. Scheidt, J.-H. Schein, et al.)、
コラール、
バロック時代の合唱とオルガン音楽
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ルネサンス時代からバロック初期・盛期の合唱音楽:
Palestrina, Lassus, Monteverdi,
Gabrielli, A. Scarlatti, et al.
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バロック時代の合奏協奏曲: Arcangello Corelli 全作品, Georg Friedrich
Haendel, et al.
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Frederic Chopin のピアノ全作品、希少作品も(チェロソナタ、ロンド、etc.)
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Johannes Brahms の合唱曲、(後期)ピアノ作品、交響曲
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Robert Schumann のピアノ音楽 (クライスレリアーナ、幻想曲には涙が出
そう)と歌曲(Liederkreis、ミルテとか)
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実は、その他何でも聴くのである (Bruckner, Mahler, Wagner でさえ結構好き)
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合唱すること
- 合唱、合唱指揮 (職場の合唱団、地域の合唱団など)
- 合唱歴: かれこれ30年以上。
神戸高校合唱部時代に全国コンクール優勝、
大学では東京大学柏葉会合唱団でいろいろな曲をやりました。
NTTの研究所では武蔵野通研合唱団を指揮して
東京都民合唱コンクールで上は2位から下は奨励賞まで十回以上受賞。
東京ヴォーカルアンサンブルコンテスト(TVEC)で金賞を貰ったこともあります。
その他、いろいろな合唱団に定期的あるいは不定期的に参加して、
大曲では
バッハのマタイ受難曲、ヘンデルのメサイア、モーツァルトやフォーレの
レクィエムや、ベートーベンの第九など何度もやりました。
いやあ、昔は結構熱心だったなあ。
- バッハ(カンタータ十数曲、マタイ受難曲、
モテット3曲)、モーツァルト(レクィエム)、フォーレ(レクィエム)、ベー
トーベン(第9交響曲)、ヘンデル(メサイア)、
ブルックナー(ミサ曲ホ短調)、ウィリアム・バード(4声、3声のミサ)、
イギリスマドリガル、ルネサンス(パレストリーナ、ラッソ、ビクトリア)、
モンテヴェルディ、
日本人作品(木下牧子、荻久保明、新美徳英、團伊玖磨、大中恩、
高田三郎、佐藤眞、小山章二、三善晃、広瀬量平、中田喜直、平吉毅州、
湯山昭、間宮芳生、石井歓、三木稔、池辺晋一郎、小林秀雄、多田武彦の男声
合唱曲を十曲以上、など)、その他もろもろ。
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音楽史
- バッハのカンタータの教養ゼミが音楽史への関心の始まり。
以後、段々古い方に傾いて行っています。
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ピアノ (かつてはよく弾いていたが、いまはだめ。)
◆ 山歩き (しばらくやっていないし、歳だからもう無理かも)
若い頃は、友達のおかげもあっていろいろ登りました。
といっても、日曜日ごとに山にでかけるようなマメさはありません。
多くて年にせいぜい2、3度。
それでも深田久弥の名著「日本百名山」のうち53座に登れたのは、
今の私からすると奇跡みたいに思えます。友達のお蔭です。
せっかく加賀の名山、白山がすぐ近くにあるのだから、これくらいは登頂リス
トに加えたいのですが ...
参考: 日本百名山リスト ([番号] は私の登頂順番)
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北海道
利尻岳[9]、羅臼岳、斜里岳、阿寒岳、大雪山、トムラウシ[8]、十勝岳、幌尻岳、後方羊蹄山、
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東北
岩木山、八甲田山、八幡平[37]、岩手山、早池峰、鳥海山、月山、朝日岳、蔵王山、
飯豊山、吾妻山、安達太良山[26]、磐梯山[27]、会津駒ヶ岳、那須岳[17]、
魚沼駒ヶ岳、平ヶ岳[16]、巻機山[11]、燧岳[19]、至仏山[22]
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上州・中部北
谷川岳[36]、雨飾山、苗場山[48]、妙高山、火打山、高妻山、
男体山[44]、奥白根山、皇海山、武尊山、赤城山[47]、
草津白根山[30]、四阿山[29]、浅間山、筑波山[49]、
白馬岳[52]、五竜岳[5]、鹿島槍ヶ岳[6]、剣岳、立山[7]、
薬師岳[24]、黒部五郎岳、黒岳[23]、鷲羽岳[28]、
槍ヶ岳[3]、穂高岳[4]、常念岳[21]、笠ヶ岳、焼岳、乗鞍岳[2]、
御岳、霧ヶ峰[43]、美ヶ原[45]、蓼科山[35]、八ヶ岳[25]
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関東
雲取山[18]、甲武信岳、金峰山[42]、瑞牆山[41]、
大菩薩嶺[33]、丹沢山蛭ヶ岳[34]、富士山[20]、天城山[40]、
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中部南
木曽駒ヶ岳[39]、空木岳[38]、恵那山[53]、
甲斐駒ヶ岳[32]、仙丈岳[31]、鳳凰山[10]、北岳[14]、間ノ岳[15]、
塩見岳、悪沢岳[46]、赤石岳[12]、聖岳[13]、光岳、
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近畿
白山、荒島岳、伊吹山[51]、大台ヶ原山[50]、大峰山、
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中国・四国
大山、剣山、石鎚山、
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九州
九重山、祖母山、阿蘇山[1]、霧島山、開聞岳、宮ノ浦岳
◆ ワインを楽しむ (これも歳で、あまり飲めなくなった)
NTTに入社してまだ一年位のとき、当時の齋藤收三研究室長にドイツワイン
の試飲に誘われて、それ以来10年ほど、自分の研究室のドイツワインの試飲
パーティの主催者を務めました。
折しもドイツワインにとって今世紀最高と言われる1976年が到来。
第二次ワインブーム(昨今は第五次ブームだそうな)と言われて、皆の間に関心
が広がった時でもあります。
私にも関心が深まって、自分の専門分野ですら決して買わないような
高いワインの本を買ったり、
友達にもワイン好きが増えて一緒に飲んで知識を増やしたり。
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ドイツワイン: いまも1976年の Trockenbeerenauslese を何本か秘蔵してい
ます。どんな機会に開けるかが問題。
昨年、秘蔵していた1971年(現代ドイツワイン法制定の記念すべき年)の
Trockenbeerenauslese をついに開けたのですが、
十分生きていて、フルーティで素晴らしかった。
よい収穫年のワインの寿命は、
白ワインでは普通考えられない30年近い年月を、軽く超えてしまいます。
1997年には、Mainz, Ruedesheim, Cochem, Trier など
ドイツワイン地帯(Rheingau, Mosel-Saar-Ruwer)を酔っ払いながら
訪ね歩きました。これも素晴らしかった。
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フランスワイン: ワインの好みが徐々にフランスワインに移るのは自然の流
れ。私のきっかけは、研究室の上司に、外国出張のみやげに Chateau Margaux
をねだって、それを皆で飲む会を設けた時。最近は、何かの小説でやたらに有
名になったワインですが、当時はワイン好きの人しか知らなかったでしょう。
このワインの精妙な香りと味の変化に打ちのめされて、フランスワインの価値
を知りました。その後も、フランスワインの好きな友達のお蔭で、いろいろな
種類を味わう機会がありました。もっとも、最近は詳しい人が多くなって、と
てもたちうちできません。現在私の好きなのは、ブルゴーニュ系(恥ずかしい
けど Baujolais やその近辺の村 Fleurie, Morgon, Sant Julien なども好き
です。安いし、カマンベール系のチーズにも合う。)や、アルザスや、マコン
の赤や、... 結局どこでもいいのです。
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他の国のワインにも関心が出来るのは、これまた自然な流れ。イタリア、スペ
イン、ポルトガル、カリフォルニアなど有名どころに、ハンガリー、オースト
リア、スイス、ルクセンブルグ、オーストラリア、グルジア、ブルガリア、ユー
ゴ、ウクライナ、チリ、アルゼンチン、ギリシア(これは独特)、キプロス、
ハワイ、中国からイギリス(イギリスではワインが作れないという俗説は誤り)まで。
好奇心でいろいろ飲みました。
日本のワインはたいてい個性が少なくて面白くないですが、
甲州はいいですね。独特の水っぽさと土臭さ。あれは誇れるワインだと思いま
す。
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ワインではありませんが、ドイツとイギリスのビールが好きです。
特に、ドイツのヴァイツェンビール(小麦が原料の上面発酵ビールの一種)、
イギリスのビターエール(大麦が原料の上面発酵ビールの一種)、
ドイツの黒ビールの類がすきです。
最近、日本でもそのような傾向のビール(まだ中身が薄く炭酸ガスが
強過ぎるように感じますが)が発売されて喜んでいます。
それにしても、ヨーロッパのビールにはこんなにバラエティがあるのに、
なぜ日本のビールはどれも似たり寄ったりなのでしょうか。
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やはりワインではありませんが、ヨーロッパに行ったらチーズを買うのも楽しみです。
ヤギの乳の青カビチーズをはじめ、
本当に腐っているとしか言いようのない癖の強い個性的なチーズに惹かれます。
あんなに味わい深くておいしいものはないと思うのだけど、
一般の人はあまりの臭さに僻易してしまうらしい。
なかなか賛同して貰えず、唯一、姪だけが味方 (or チーズ争奪の敵)。
日本の納豆も、腐敗寸前のような個性的な納豆とか
そのようなポテンシャルがあると思うのだけど、
大多数は似たり寄ったりの癖のない納豆ばかり。
これは絶品!というようなものはないでしょうか。
◆ 温泉を訪ねる
温泉ブームが始まる前はとても良かったのですが、
いまは整備され過ぎて(?)がっかりすることが多くなりました。
いままで経験した温泉コースのハイライトは、
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白金温泉・大雪高原温泉:美瑛から入って、白金温泉、十勝岳、オプタテシケ、
トムラウシ、忠別岳を抜けて、ヤンベタップ川を大雪高原温泉へ下る。このこ
ろはまだ温泉に目覚めていなかったので、残念な思い出。
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中房温泉:上高地から蝶が岳、常念岳、燕岳を越えて、中房温泉に至る。
温泉の種類の多さにびっくり。大自然の中の露天風呂の快感を知る。
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尾瀬の温泉小屋。
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乳頭温泉郷:秋田駒が岳から乳頭山まで縦走して、黒湯に降りる。さらに山
をこえて鶴の湯。当時の鶴の湯はすばらしかった。
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赤湯と切明温泉: 越後湯沢から入って、徒歩3時間で赤湯。河原に湧き出す。
翌日は苗場山を越えて切明温泉。
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三斗小屋温泉: 那須茶臼岳を越えて、峠の茶屋から下る。翌日は三本槍を経
て朝日岳から下る。
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蓮華温泉と白馬鑓温泉:蓮華温泉に泊まり、白馬大池経由、白馬岳頂上を越え
て、白馬鑓温泉に下る。
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ドイツのある町で: ヨーロッパでは皆必ず水着を着て温泉に入る、なんて嘘です。
脱衣場から浴室まで完全に混浴だったので、びっくりしました。
場所は言えません。(日本人が大挙したら大変なことになる)
◆ 外国旅行
もちろん外国旅行もわくわくします。歴史のあるヨーロッパの中世の街を歩く
のが好きです。仕事も併せてかれこれ20か国余りに行きました。仕事で行く
ときは観光ができないので、個人旅行で行くのが一番ですね。
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最初に行ったのはスイス。同期入社の友達と約10人で思い切ってスキー専門の
旅行会社の「格安ツアー」で行きましたが、給料の3ヵ月分位を払ったように
覚えています。1ドルがようやく360円から250円にまで下がって来たけど、
まだヨーロッパ旅行は新婚旅行だけの夢だった時代。
10日間の休みが取れるのが正月休みしかなく、スキー旅行になったのです。
Grindelwald と Zermat で夢のような日々を過ごして、
カレンダーの写真で憧れていたスイスは、実はその辺りの有名な風景だと知りました。
それまでは、スイス全国がそんな風景なのかと思っていたのです。
外国で滑ったスキーは後にも先にもこの時限り。
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病み付きになって、翌年、同じような仲間でヨーロッパの都市を回りました。
ロンドン、パリ、マドリードとその郊外を回りましたが、
年々、少しずつ外国旅行が安くなって来ていました。
一回目ほどの感激はなかったけど、良かったですね。
プラド美術館でヴェラスケスを見、その生涯を知るに及んで、
私の最も好きな画家になりました。
(しかし不思議なもので、のちに再び見に行った時は少し感激が薄れていました。)
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親孝行を兼ねて、父母を連れて妹家族をウィーンに訪ねました。
Musikfereinsaal での演奏会、Heurige での Sylvester 料理、
ザルツブルクへの遠出など、さまざまなウィーンを楽しんで、
それからヴェネツィアとローマを回りました。
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一番思い出に残る旅と言えば、妻と二人で行った東ヨーロッパの旅でしょうね。
実質的な新婚旅行だったからでもあるでしょう。
東ヨーロッパの社会主義体制が崩壊して間もない頃で、
妹の旦那のウィーン勤務が終る直前に、
慌てて訪ねに行きました。
まだチェコスロバキアが存在していた時期。
西側諸国に比べて「中世」がある意味でよく保存されているのは嬉しかった。
プラハに始まり、ライプツィヒ、
ドレスデン、アイゼナッハとバッハの足跡を訪ねて、ロマンチック街道を通っ
てミュンヘンに至り、ウィーンの妹家族宅へ。
チェコでは英語が通じず、ドイツ語が頼みの綱でした。
そこからブダペシュトへ足を延ばしました。
TokajのEssensiaが一本、いま家宝になっています。
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結局、初めて行くときの感激と興奮こそ、二度と得られない貴重な人生の宝な
のだと分かりました。これは、どんな金持ちでも人生に一度しか与えられない。
今でも外国旅行は何度行っても面白いけど、何も分からずとんちんかんなこと
をやっていた、今思うと恥ずかしいような一度目に勝る体験は、
それ以後ないのです。
だから、とても行きたいのにまだ行っていない人は、大きな宝を持っているのです。
Page by Shigeki Sagayama, 27 June 1998; last updated on 8 Nov 1999