メニューを勘違いして注文したために、スペアリブとフライドチキンを計2人前食べる羽目になったバーベキューレストラン。 朝はベーグル、ヨーグルト、果物、コーヒー、ジュース。昼は、肉、卵、ポテト、コーラ。これが今回の旅行中の典型的食事だった。おそらく米国人の平均的食事とそう違わないであろう。緑黄色野菜は? 食物繊維は? といったあるある大事典的ツッコミをする人はここにはいない。 食事の度にコーラを注文する風習はマクドナルドでお馴染みだけど、ほんとうにどこで食事してもコーラがメニューの目立つところに出ているのに驚く。米国人は1人1日1リットルくらい飲んでいるのでは? それはオーバーにしても、米国のコーラ会社の社長は日本のコーラ消費量が少なくて不満だろうな、などと余計なことを考える。 帰国後たまたま雑誌で、中国系ジャーナリストが書いたコラムを見た。中国人にとって食は人生のもっとも大きな喜びであるのに対し、米国人は食物を味わうことにあまり幸せを感じないようだ、という内容だった。同感だ。勿論米国にも料理番組はあるし、料理が趣味の米国人も多いのだが、今回接した米国料理を見ると、やっぱり質より量、微妙な味わいより大味を好む国だと思う。私の行った店が安い店ばかりなのだと言われれば反論できないが。 12年くらい前になるが、牛肉輸入自由化をするかしないか議論されていた頃、米国産牛肉のビーフステーキを食べさせる店があったので、入ってみたことがある。安いのが取り柄だったが(だからこそ?)、肉は薄切りで穴ボコだらけで、まさにボロゾーキンのような代物。味も国産牛に遠く及ばなかった。 その後は米国から日本に入る牛肉はもう少し日本人好みの肉質に品質改良しているみたいだけど、米国内では今でも案外ボロゾーキン系牛肉が出回っていたりする。 さて、バージニアビーチのサブウェイに入ってサンドイッチを食べた。その時に添えられてきた紙ナプキンに面白いことが印刷してあった。 サブウェイは低カロリーが売りらしいので、サブウェイの各メニューについて脂肪、コレステロール、カロリーの数値が具体的に示されている。そして比較対象としてマクドナルドとバーガーキングのハンバーガーにおける数値も書いてあって、サブウェイのメニューがそれらに比べいかに健康的かということを強調している。紙ナプキンにまで比較広告を載せるところがアメリカらしいと思った。 このように物を食べながらも常にカロリーや脂肪を気にしているのを見ても、ダイエットはアメリカ人の最大関心事の一つなのだということが伝わってくる。日本で放映されている米国製のTVショッピング番組で、実に様々なダイエット器具が毎日登場していることからもわかる。 だったらコーラを飲まないようにするなりバターの量を減らすなりして、カロリーを控えた食生活をすればいいじゃないかと日本人は思うが、彼らの多くにとってはもう肉とか炭酸は生活の一部になってしまって止められないんだろうね。さもなくばベジタリアンのように反対側の極端に行ってしまう。ああ、YESかNOか、白か黒か、高カロリー食か菜食主義か、はっきりさせなければ気が済まないアメリカ人気質がこんなところにも。(00.11.2) (revised 01.7.22) |