ニア国立公園(サラワク州 Niah)


ニア国立公園は1974年11月に国立公園登録された、サラワク州で第3番目に古い国立公園である。ただし、面積は小さく3139haで、サラワク州の国立公園としては小さニア国立公園は1974年11月に国立公園登録された、サラワク州で第3番目に古い国立公園である。ただし、面積は小さく3139haで、サラワク州の国立公園としては小さい方です。ミリ市からは100kmほど離れており、バスなどでのアクセスであれば日帰りは難しいと思われる。

 この国立公園の最大の特徴は、石灰岩でできた洞窟があることだ。100m前後の空間が石灰岩の岩塊内部に拡がり、離れたところに立っている訪問者がとても小さく見えて、迫力がある。この規模は、日本国内の洞窟に比較しても大きく、訪問者にはまず印象づけられる。しかしこうした自然資源としての「大きさ」の迫力とは別に、一部の洞窟には、1万年前に居住していた先住民による壁画が残されている。

 またこの洞窟には、イワツバメとコウモリが営巣しており、コウモリの鳴き声や羽音が頻繁に聞こえる。また足もとにはグアノ、コウモリの糞が積み重なっており、湿度が高い熱帯の湿った空気に包まれて見学することになる。

 特にイワツバメの巣は、住民による巣の採集行為が行われている。洞窟の天井付近にある巣を採集するのは並大抵ではないが、展示施設に残されている写真によれば、細い木材や竹を使って登っていき採集しているようだった。現在も採集活動は続いているらしいが、極めて過酷な環境で危険な作業をしているのでリスクも大きいだろう。しかし、大きな利益が上がるので、資源魅力から採集が続くと思われる。それは燕の巣の採集管理のために警備員が配置されていたことからもわかる。

 洞窟のある石灰岩塊までのボードウォークは熱帯雨林の中を通るので、フタバガキの高木が数は少なが目立つ。長々と続くボードウオークは少々退屈だが、解説、ガイドがあれば、植物を中心とした熱帯雨林の生態系が興味を引く。例えば、「シメコロシ」の木が寄生した木を枯れさせているところなど、眼前にリアルな状況が拡がる。こうした点に津亭「すごい」だけではなく、生態学的な解説がつけば面白いエコツアーがつくれるだろう。

 この国立公園の問題点としては、経路が直線でリングロードではないので、最終地点まで行って戻るコースとなっていることである。時間に制約のある中では、ぐるっと一周したいのが人情だろう。ただし、ボードウォークはよく整備されていて、不安はない。強いて言えば、洞窟内が滑りやすいので注意が必要だという点くらいである。またボードウオークが完全に整備されており、経路からの逸脱や踏みつけは見られない。ただし、こうした整備による環境改変はある。

 なお園内にトイレはなく、入口の施設ですませてからアクセスすることになる。また洞窟の入口近くに土産物店が1軒立地している。ここはイバン族の女性6人が1人月50リンギット支払って借りている。土産物のほか、多少高めだが飲み物が購入できる。
つきます。なお、アウトプットは「説得ではなく共感を得ること」と考えていますので、自らの仕事や研究をマーケティングする方