超高速DNA光クロスリンカーの核酸医薬としての可能性を探求

超高速光反応性ヌクレオシドであるCNVKをアンチセンス核酸に組込むことで、遺伝子発現の光制御が可能であることを明らかにしました。具体的にはガン原遺伝子である点変異型K-ras遺伝子の発現を、光照射したときのみ効率的に抑制できることを示しました。この光による遺伝子発現抑制効果は、正常型のK-ras遺伝子に対しては作用しなかったことから、ガン原遺伝子のみを高選択的に抑制できる新たな抗ガン剤となりうると期待されます。

論文

Quick regulation of mRNA functions by a few seconds of photoirradiation
Atsuo Shigeno, Takashi Sakamoto, Yoshinaga Yoshimura, Kenzo Fujimoto*
Organic & Biomolecular Chemistry 2012, 10(38), 7820-7825
DOI: 10.1039/C2OB25883H

Photo-regulation of constitutive gene expression in living cells by using ultrafast photo-cross-linking oligonucleotides
Takashi Sakamoto, Atsuo Shigeno, Yuichi Ohtaki and Kenzo Fujimoto
Biomaterials Science 2014, in press
DOI: 10.1039/C4BM00117F