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内平研究室における先行研究調査の進め方

アドバイス

先行研究調査では、調査だけでなく課題も書く

研究対象となる分野の先行研究を体系的にまとめるだけでなく、 先行研究の課題(足りない点)を書くことが重要。 その課題を解決するために、本研究を行う必要性があるということを明確に主張する。 単にいろいろ調査したことを書くだけでは尻切れトンボで後に繋がらない。

博士・修士論文での先行研究調査は、その分野の解説記事のつもりで書く

ページ数に制限のない博士・修士論文での先行研究調査は、 その分野の解説記事のつもりで書く。 すなわち、読者がその先行研究調査を読むだけで、 その研究分野の研究動向が体系的に把握できることを目指して丹念に書く。 重要な先行研究に関しては、その内容も図表の引用も含めて、丁寧に レビューしておくと良い。読んだ文献は自分でも忘れてしまうので、 先行研究調査をしっかりまとめておくと、将来、自分自身が読み返すとき にも役に立つ。

博士・修士論文での先行研究調査はその後の章で活用する

先行研究調査で説明した論文は、その後の博士・修士論文の章の展開の中で 何らかの形で引用し、論文の論理展開や新規性主張の材料として活用する。 その後の章で一切活用しない論文は先行研究に詳細に記述する必要はない。 ただし、研究動向を体系的に把握するのに必要な先行研究は簡潔に言及するべきである。

具体例

例:「研究開発プロジェクトマネジメントの知識継承」

出典: 内平直志、 研究開発プロジェクトマネジメントの知識継承、 北陸先端科学技術大学院大学 学位論文 (2010)

例:「グローバル・イノベーションのマネジメント」

出典: 岩田 智、 グローバル・イノベーションのマネジメント―日本企業の海外研究開発活動を中心として、 中央経済社 (2007)
問い合わせ先:内平直志 uchihira@jaist.ac.jp