Neural Computation誌に論文が採録

北陸先端科学技術大学院大学の鳥居拓馬助教と日髙昇平准教授の共著の論文が6月4日付でNeural Computation誌に採録されました。

Torii, T. & Hidaka, S. (accepted). Completion of the infeasible actions of others: Goal inference by dynamical invariant. Neural Computation.

Abstract:
To help another person, we need to infer his/her goal and intention, and then perform the action that he/she was unable to perform to meet his/her intended goal. In this study, we investigate a computational mechanism for inferring someone’s intention and goal from his/her incomplete action to enable the action to be completed on their behalf. As a minimal and idealized motor control task of this type, we analyzed single-link pendulum control tasks by manipulating the underlying goals. By analyzing behaviors generated by multiple types of pendulum control tasks, we found that a type of fractal dimension of movements is characteristic of the difference in the underlying motor controllers, which reflect the difference in the underlying goals. To test whether an incomplete action can be completed using this property of the action trajectory, we demonstrated that the simulated pendulum controller can perform an action in the direction of the underlying goal by using the fractal dimension as a criterion for similarity in movements.

関連論文:
(1) 模倣学習の機序解明に向けた意図推定のモデル化:倒立振子課題の分析.
(2) 模倣の計算理論に向けて:力学的不変量による模倣機序の説明
(3) 科研費研究課題「力学系の不変量による身体運動の分節化・認識・生成理論の構築」

さきがけ(信頼されるAI領域)に採択

さきがけ・信頼されるAIの基盤技術に以下の研究課題が採択されました(2020年12月開始)。

課題名:機械理解の創成に向けた随伴関手の統計的推定理論の構築
研究者:日髙 昇平
概要:
本研究は、再現性と検証可能性をもち、見方・解釈に伴ってその意味付けが変わる認知現象の一つとして、曖昧図形の知覚に着目する。解釈・理解を圏、データの解釈への対応づけを関手とする「随伴関手の統計的推定」モデルにより、曖昧図形の知覚の数理構造を説明し、これを実験的に検証する。この研究の過程で新たに生まれる、圏論を基礎とした情報技術・統計的モデリングを概念実証として、「機械理解」分野創生の基礎を構築する。

第35回人工知能学会全国大会でオーガナイズドセッションを開催

JSAI 2021にて、オーガナイズドセッション「OS-2 認知バイアス・多重解釈性とAI」を開催いたします。奮ってご参加ください。

招待講演として渡辺英治先生(基礎生物学研究所)をお招きしております。錯視を起こす人工知能モデルについてのお話をしていただく予定です。

 

ネッカーキューブの立体的知覚の理論的な説明

ネッカーキューブの立体的な知覚ななぜ生起するのか、についての理論的な説明を行った研究論文が先日「認知科学」にて採録されました。

2021年3月発刊予定の特集「圏論は認知科学に貢献できるか」にて掲載される予定です。

現時点での著者版の論文をpsyarxivに公開します。
https://psyarxiv.com/cxgkd

また、関連して、先日の日本認知科学会第37回大会の
OS03「過剰な意味づけへの理論的アプローチ:ホモ・クオリタスとしての人間理解へ向けて」にて、このネッカーキューブの知覚に関して発表を行いましたので、その資料(日髙発表分)へのリンクをつけておきます。

追記 (2021/ 6/ 3): J-STAGEにて論文がオンライン公開されました。

JAISTサマースクール2020の開催について

2018年から8月末ごろに開催しておりましたJAISTサマースクール ([2018], [2019])は、昨今の新型コロナウィルスの状況を鑑みまして、実施時期を冬の休業期間中または、春の休業期間中に延期することに決定いたしました。

開催方法についてはなるべく実地参加型の開催、開催の可否および開催時期・方法については2020年9月ごろに決定をすることいたしましたので、状況が分かり次第、本ウェブサイトなどでお知らせいたします。

なお、開催できる場合、テーマとしては、「類推」もしくは「圏論と認知科学」を検討しております。

第36回日本認知科学会での発表

2019年9月5-7に静岡大学浜松キャンパスで開かれる第36回日本認知科学会にて、以下の研究発表を行う予定です。

講演者:山川宏、布山美慕、西郷甲矢人、高橋達治、日髙昇平、高橋康介

関連WSとして、長浜バイオ大で開催された「圏論による認知モデリングの可能性」もご覧ください。

口頭発表

  • 鳥居拓馬 & 日高昇平 (2019). 地図未知な案内課題における知識の転移:知識転移の確信度の分析. 日本認知科学会第36回大会論文集.

ポスター発表