本多研究室では、知識科学研究科の理念である文理融合の知を、科学、特に自然科学的知の側面から分析していく。さらに今日の科学技術の異常ともいえる進化に対し一石を投じたい。
そのために自然科学的な分析法や知を活用し、さらにヒューマンベースの考察も加える。事象を正確かつ客観的に分析・理解することが基本である。事象をよく見ることができて、初めて妥当なモデリングを構築できるようになるからだ。また、技術分野においては機能を知ることで その機構を自ずと理解できるようになる。
この様な視点で世界を見ると、古来より人間の(個人ベースの)優れた知が発揮されてきており、特に技術的知識の成果が蓄積され、今日まで残されているものが多いことがわかる。たとえば匠といわれる人たちの製作物が 日本でも各地に残されている。この様な古来の個人的知識を理解することは、新たな知の創造を啓発するものと信ずる。
この様な知の伝承は、よく知られているように、教わるよりも学ぶことで、自らが苦労して身につけることによって行われ、かつ、新しい知の創造をも行われてきた。この例に倣うわけではないが、本研究室の方針は自ら学ぶことである。
さらに本研究室では知識創造活動の場としての高等教育機関、大学に注目して、科学計量学的分析により、大学の知識創造性を検討し、さらにその評価法の確立を目指している。
また、自然科学の知の応用として、自然界の原理・法則と物質の知識データ・ベースからシミュレーション技法を用いた新たな物質知識の発見を目指している。
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