担当: 外谷 弦太 日時: 1/19(木) 15:30- 場所: コラボ3 内容: 再帰的組み合わせの計算論的性質 概要: 人間の文化的生成物(テクノロジー,制度,料理,音楽,言語など)は, 既存の生成物を構成要素として新しい生成物を作り出すことで有機的に構築され続けるという性質を有している. この既存のもの同士を組み合わせて新奇なものを作り出すという現象には二つの生成レベルが考えられる. 一つはある集団における知識の累積のような社会的・歴史的なレベルの組み合わせ, もう一つは個人的な思考や行動における再帰的な組み合わせ操作である. 後者はヒト以外の動物において未だ観察されておらず,ゆえに人の知性の起源と進化を明らかにするための糸口と捉えることができる. そこで本研究では,ある種の最適化を行うアルゴリズムのなかで再帰的な組み合わせ操作がいかにして出現しうるか, その環境条件と出現プロセスを明らかにすることを目的としてシミュレーションを行った. 計算結果の分析をもとに,ヒトの進化プロセスや言語学における再帰的な組み合わせ能力の有無などについて議論を行う. 今回は組み合わせ操作を行うエージェントがおかれる状況として,いくつか操作的自由度が異なる環境・水準を想定して, それぞれにおける適応的行動や再帰的な組み合わせ操作の出現頻度をシミュレーションしました. 結果として主に,再帰的な組み合わせ操作が制作空間の探索時点において(特に複雑な操作が必要となる際に)有効な行動戦略であることと, 探索完了時における最適戦略ではないことがわかりました. 発表ではこれをはじめとする幾つかの結果について議論し,論文を書く上でのイントロダクションについて検討したいです. Speaker: Genta Toya Date&Hour: 1/19(Thr.) 15:30- Place: Collaboration room 3 Computational Characteristics of Recursive Combination