担当: 外谷 弦太
日時: 10/7(金) 15:30-
場所: コラボ2
内容: 言語の進化・起源における計算論とアルゴリズムの階層

概要:
言語進化研究は,Hauser, Chomsky, Fitchによる論文で狭義の言語能力(ChomskyいわくMerge)の存在が示唆されてからというもの,再帰的な統語操作の存在の有無,その適応性と前適応について議論が交わされてきた.
心の理論など社会性に重点を置く研究者らはMergeという統語操作自体に疑いの目を向けているが,Marr(1982)により提唱された計算の3水準をもとに考えると,Mergeは計算論的な水準に属する表現生成の必要条件であり,多くの言語進化研究者が取り組んでいるようなアルゴリズム水準・実装水準の議論において否定できるものではない.
生物の形質の生成機構には,進化,学習,道具製作などいくつかアルゴリズム的に異なる階層が考えられ,各生成機構において非再帰的生成から再帰的生成へという計算論的な階層を上る進化が予想できる.
本発表では,これまで言語固有の性質とされてきた再帰的な組合せ(Merge)という抽象操作に類似の現象が,進化の各段階において現れる可能性を示し,シミュレーションによる各段階での出現要件の解明方法を提示する.

本発表の位置づけは,博士論文に向けたプロポーザルの検討になります.


Speaker: Genta Toya
Date&Hour: 10/7(Fri.) 15:30-
Place: Collaboration room 2
The hierarchy of computation and algorithm on the origin and evolution of language