担当:真隅 暁
日時:7/12(火) 15:30-
場所:5Fコラボ2
内容:論文紹介

紹介論文:

Keith Jensen, Josep Call, and Michael Tomasello,
"Chimpanzees Are Rational Maximizers in an Ultimatum Game",
Science, vol.318, issue 5417,  pp.107-109 (2007).


論文入手先:
http://science.sciencemag.org/content/318/5847/107


概要:

本論文では,ヒト社会に見られる協力行動の進化や,それを可能に
するヒト固有の生得的形質を明らかにすることを目指して,ヒトの
最近縁種であるチンパンジーを被験者として,最後通牒ゲームの実
験を行った結果を報告している.
最後通牒ゲームは,これまで,他者選好や不平等回避の程度を測る
ためのベンチマーク・テストとして用いられてきた.本研究では,
実験の結果,チンパンジーは「いかなる分配提案」も受け入れる傾
向があるということを示している.また,不平等な提案を行った相
手に対する懲罰行動も観察されなかった.

著者らは,明らかに,ヒトとチンパンジーの特筆すべき差異として
他者選好や不平等回避の有無を想定していると考えられる.しかし
一方で「不平等回避はヒト固有の形質ではない」と主張しているグ
ループもある.ゼミでは,本研究の実験結果を批判的に見つつ,こ
のあたりの論争について議論できたらと考えている.


Speaker: Akira Masumi
Date & Hour: 12 Jul (Mon) 15:30-
Place: 5F Collaboration Room 2
Title: Reviewed paper: "Chimpanzees Are Rational Maximizers in an Ultimatum Game"