担当:藤原 正幸 日時:5/26(木) 16:00− 場所:コラボ3 題目:脳波位相同期ネットワークの二者間解析による記号コミュニケーション成立過程の解明 概要: 人間同士のコミュニケーションは,記号のやり取りを重ねることで,その言葉や記号の裏に隠された意図や意味を他者に伝えることがで きる.そのような記号コミュニケーションがいかにして成立するのか,二者における記号の相互作用が及ぼすその変遷はどのような特徴を 持つのか,といった問いに関して,それらの多くが未解明である.先行研究では,実験記号論という新しいパラダイムやコミュニケーショ ン時の二者の脳波を同時計測する社会神経科学など定量的・分析的な研究が進んでおり,両者の複合的なアプローチとして,記号コミュ ニケーション成立過程の二者同時脳波計測が行われている.しかしながら,まだ単一脳における局所的活動の分析にとどまり,二者の協調 を捉えるには至っておらず,さらなる理解が求められている. 脳は動的かつ非線形性を備える複雑系の一種であり,近年では,脳波の位相同期,特徴的な周波数帯域・脳領域間の同期・脱同期や脳の 結合性を解析することで,認知活動が明らかにされつつある.こうした脳波の位相同期や脳内ネットワーク構造という視点は,記号コミュ ニケーションの成立過程やその認知メカニズムを理解するにあたって,脳内の局所的活動を検討する以上に新しい知見をもたらすと見込ま れる. そこで本研究では,実験記号論の枠組みで記号コミュニケーションを二者同時脳波計測し,その脳波の位相同期を用いた脳の結合性のネ ットワーク構造に焦点を当てることで,脳活動の構造がどのような特徴を持ち,認知活動にいかにして関与しているのかを明らかにするこ とを目指す.今回の発表では,現在行っている解析結果の一部も紹介したい. Speaker: FUJIWARA Masayuki Date&Hour: 26 May(Thu) 16:00- Place: Collaboration room 3 Title: Understanding Formation Process of Symbolic Communication using Correlation Analysis of Phase Synchronization Network Structure.