担当:山田広明 日時:5/16(木) 15:30-- 場所:コラボレーションルーム2 内容:自律的共助行動を促進するための制度設計 概要: 人々が自分の力と意志で生活を守れる程度(自律性)は,生活の質(Quality of Life)を 構成する重要な要素である.人々自身の力と意識によって運営される社会の実現は,効率性や 政治的な立場を越えて,そこに住む一人一人の生活を豊かにするという観点から必要である. 本論では,自律的な意志に基づく地域社会の運営を定着させるための制度設計について検討する. 地域社会の運営を共助行動の定着としてモデル化し,共助行動の形成過程で自律的な意志が涵養される シナリオを,価値信念の伝播という現象に注目したエージェントシミュレーションにより検討する. そこから,価値信念の伝播を引き起こしている個人レベルの相互作用として「コミュニティタスク関与者の 多数派に影響を受けて自分もその状態に変わる」というルールが最も妥当であることを確認した. また,自律的な共助行動を定着させる可能なメカニズムとして,選択的に価値信念が高い人達から 影響を受けることが有効であると確認した.更に具体的な制度設計の指針として「タスクの解決に成功した時, そこに居合わせた参加者のみから影響を受けて自分の状態も変わる」状況を集団内の幾人かに作り出すことが 効果的かつリーズナブルであることを主張する. 以上の内容を6月に開催される人工知能学会にて報告する予定である. ゼミではこの内容を話させて頂く.議論を通して内容を深めたい. 特に,制度設計についてもう一段具体的な議論を加えたいと思っているので, その点を突っ込んで議論できればと思う. Speaker: Hiroaki Yamada Date & Hour: 16 May (Thu) 15:30- Place: Collaboration Room 2 Title: Institutional Design for the Promotion of Autonomous Mutual-aid Action