──学生の方にはどのような指導をされているのですか?
学生によく言っているのは、得られたデータをいいかげんにしないで深く考えて、学問にしなさいということです。そして自分を含めて物事を客観的に見る、ということです。
──こうした分野の研究は実用化に時間がかかりますから、いろいろと難しいこともあるのでしょうね。
研究には壁がつきもの。乗り越えるためには根気と努力が必要です。そしてたとえ失敗しても妥協せず、失敗した理由を突き詰めて論理的に説明することですね。ときには叱咤激励するのも私の仕事です。もちろん学生は教師の背中を見て育ちますから、自分の姿勢も正さないと(笑)。
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──研究室のホームページを拝見すると、修了生からのメッセージが面白いですね。研究室の雰囲気が表れていますし、研究職に就いた方の悩みや現状が理解できます。
若い研究者の生の言葉ですから、学生にとっては興味深いものだと思います。ひとつアドバイスとして、学生には自分の能力に合った仕事に就いてほしい。背伸びをするよりも、自分に合った仕事を一生懸命にやることが人生において重要なのではないでしょうか。
──では先生の教育ポリシーを。
私は学生の能力を伸ばしてあげることが教師の仕事だと思っています。そして研究室を修了するときには「精一杯やってきた」という実感を持てるような指導を心がけています。
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