──研究コンセプトは?
さまざまなプログラムを使ってソフト開発、あるいはオンデマンド学習といった作業環境をサポートするデータベースを創造するところに主眼を置いています。
──それはどのようなところから発想されたのですか?
研究職に就く際、ソフトウエア関連の研究に携わりたいと考えていたのですが、当時はまだ理論も体系化されていませんでしたので、企業の開発現場の状況を理論立てていくことを研究目標に定めて取り組んできました。その過程で自分自身がソフト開発に没頭した時期があり、開発環境そのものの構築に関心が移ってきたのです。オンデマンド学習に関しては、
JAIST自体が 1998年に次世代遠隔教育研究システムを開始しており、その一環としてネットワークを介した教育システムのあり方を探ることが当研究室のテーマとなっています。
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──研究の根底にあるのが、『オブジェクト指向論』ということですが?
わかりやすく言うと、世の中で企業や研究機関が発表するプログラミング理論をさまざまな開発現場に適用するという実践的な研究手法と言えます。企業との共同研究として工場の生産管理システムにも適用した実績もあり、各現場において非常に有効な方法論であると考えています。
──研究を始めるにあたっては、どのようなことを重視していますか?
現在、主流となっている技術開発が一段落する際、その次に起こるであろう問題点を把握する。まずはそこからです。
──学生の指導面で心がけていらっしゃることは?
本人の個性を伸ばすということ。自分は好きでこのテーマを研究しているという気持ちは優先させたい。研究に行き詰まった時に乗り越えられるのは好きという気持ちだけですから。もう一つは積極的に外部で発表し、なるべく多くの人々の意見や考え方に触れるということ。研究室の狭い空間に閉じこもっていては、なかなか発想も拡がらないですから。
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