多重解像度解析による
顔濃淡・距離画像の特徴解析に関する研究



■ 研究の概要

顔画像解析手法は, 画像の輝度値や色情報を特徴空間へ写像するなどして 画素 情報から顔画像特徴を抽出するappearanceベースの手法と, 顔画像から輪郭や特 徴点を抽出して顔の形状特徴を抽出するmodelベースの手法の二つに大別でき る. この二つの解析手法は, 大局的情報または局所的情報を捉える手法である.
画像解析において, 大局的, 局所的情報を異なる解像度から抽出, 解析する手法 に, 多重解像度解析がある. 顔画像の特徴を多重解像度解析することにより, 顔 の大局的特徴と局所的特徴が分離, 抽出, 解析できれば, appearanceベースの手法とmodelベースの手法の問題点を軽減しそれぞれの長所 を有する顔画像解析が期待できる.
本研究では, 顔画像の特徴解析に多重解像度解析を用い, 多重解像度による大局 的, 局所的情報を捉え, 各解像度が顔のどの様な特徴情報を含んでいるのかを明 らかにすることを試みた. 解析に用いる画像は, 照明による顔の濃淡変化を顔の 形状特徴として捉えている顔濃淡画像と, 顔の直接的な形状特徴を捉えている顔 距離画像を用いた.
顔濃淡・距離画像を離散コサイン変換, 離散Wavelet変換により多重解 像度解析し, 顔画像の特徴情報を解析した. 顔濃淡・距離画像の多重解像度解 析より得られた特徴情報が, 個人を特定する情報を含んでいるかにつ いて, 個人識別実験を行い評価した.

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金森証(akila@jaist.ac.jp)