テクスチャ解析の手法として、テクスチャ変化による誤差を含んだステレオ画 像ペアに対して、ステレオマッチングを行って対応点を見つけ出し、そのうち マッチング度が低い(すなわち信頼性が低い)領域を変化が起こったと判断し て検出する。次に、その領域にモルフォロジー処理を行って変化分を補正し、 ステレオ画像ペアを再構成する。また、その精度を評価して本手法の有効性を 確認する。
人工衛星「ようこう」による太陽観測は単一の衛星によって行われており、 「ようこう」が撮影した2次元の画像データから、太陽コロナなどの3次元的 な情報を得て解析を行うことが極めて重要な課題とされている。
対象となる天体が剛体の場合、自転の間に表面のテクスチャが変化しないので 正確なステレオ画像ペアが抽出できるが、太陽や地球のように表面のテクスチャ が変化すると、ステレオ画像ペア間に誤差が生じて立体感を損ねてしまう。こ のため、このテクスチャ変化が起こった部分を検出し、その部分にモルフォロ ジー処理を行って変化分の補正を試みる。モルフォロジー処理はテクスチャ変 化を移動、拡大、縮小の各要素の組合せで体系的に記述できるので、どのよう な要素による変化が起こっているかを抽出できれば観測に役立てるものと期待 している。