ひとまわり成長するためにJAISTへ

 電気•情報系の学部で、記憶や視覚、聴覚などを学んでいた頃、研究室でたまたま音声担当になったのがきっかけで、音声研究に心を惹かれるようになりました。卒業後は、音声に関わりたいという漠然とした目標はありましたが、大学院に進むか、就職するかで迷っていました。そんな時、就職活動の一環で会社見学をする機会があり、企業の求める人材と自分の実力の差に愕然としてしまったのです。すっかり自信をなくし、「このまま社会に出るのは不安」と、大学院に進む道を選びました。

 JAISTを志したのは、以前から赤木正人教授のこと知っていて、改めてホームページで赤木教授の研究テーマを見て深く共感し、その下で学びたいと思ったからです。JAISTの第一印象は、学生のやる気が凄いということ。本気で何かを学び、身につけたいという雰囲気が漂っていました。かといってギスギスした人間関係はなく、特に赤木研究室のメンバーとはすぐに打ち解けました。

 赤木教授は、とにかく知識が広く、どんな問題にもパッと答えを出せる方でしたし、外部講師を招いてのセミナーでは、時事問題から最新科学といった専門情報まで知ることができました。幅広い知識を吸収するうちに、マイペースな私でも、徐々に「これで何とかやっていける」と、自信を取り戻すことができました。だからこそ、希望の就職先にも臆する事なくチャレンジできたのだと思います。今は音声合成に関わる処理の仕事に携わっていますが、行き詰まった時は、まるで目次を繰るように「ああ、赤木研でこんな事をやっていたな」とJAISTでの2年間を思い出し、解決策を探ることがありますね。

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