第17回サイエンスカフェいしかわ(2011年3月19日開催)

 

最先端の新技術アイデア発想法の活用
能美市環境基本計画推進に向けて

 

1.背景と目的

現在、能美市では環境保全と地域発展を目標とした能美市環境基本計画を公表しております。これまで北陸先端科学技術大学院大学では、関係者間でこの環境基本計画の推進と合意形成に向けた活動としてサイエンスカフェを実施してまいりました。昨年は、能美市環境基本計画の理解増進と関係者が今後の活動に繋げられるように、学官連携にて共に能美市の環境を考えてきました。本年度は、能美市の環境ボランティア団体のこれまでの取り組みと活動を能美市民に共有して、全市に展開すべく基礎的活動を行ってまいりました。本学のこれまでの活動で得られた一つの知見として、能美市の環境保全と地域発展は密に関連していることが示唆されております。つまり、能美市の事業者の発展が重要であると言うことです。事業者がさらなる発展をすることで地域内好循環が生まれて省エネの推進や環境プロダクツの開発など期待が持たれます。
しかしながら、社会的、経済的に変化の激しい現代において、企業は外的環境の変化に適応し、社会の利益に合う優れた製品・技術の開発を維持することは簡単ではありません。このような状況において、企業は技術的課題の解決や、時代に応じたビジネスモデルの構築が求められています。
「課題解決」では、課題の発見と解決に向けたアイデアの発想が必要です。より多くの、創造的なアイデアを発想することが、課題解決方法の幅を広げ、企業の開発力や競争力を高める上で重要です。しかし、アイデア発想は個人や少人数のグループの努力に任されることが多く、科学的方法論によるアイデア発想を身につけた人材の育成やそれを実践する機会は、あまりありません。
そこで、北陸先端科学技術大学院大学(以下、JAIST)は、皆さんにアイデア発想法の体験と方法論に対する理解を深めるサイエンスカフェを開催いたします。サイエンスカフェとは、市民と研究者がお茶を飲み、リラックスした雰囲気で対話をすることにより、互いの知識や考え方を共有し、理解を深めていく取り組みのことです。JAISTの知識科学研究科では、知識を生み出す研究のひとつとして、技術開発を例にした課題解決のためのアイデア発想の研究が行われています。本企画は、JAISTで開発されたアイデア発想法を体験するサイエンスカフェを行うことで、参加者が最先端のアイデア発想法を理解し、実務へ応用可能なスキルを身につけることを目的としています。これにより、課題解決能力を備えた人材の育成と共に、企業や地域経済の活性化に繋げることで、能美市環境基本計画の推進の礎を築くことを目指します。

 

2.特徴とメリット

本企画(サイエンスカフェ方式)の特徴は、JAISTで開発されたアイデア発想方法(JM法)を体験する場と、異なる背景(バックグラウンド)を持った参加者が互いに議論をする場を提供することにあります。これは参加者が最先端のアイデア発想の方法論を持ち帰り各々の企業で今後の技術開発等に活用できるという利点があります。また、参加者同士が意見を交換することにより、これまでとは異なるものの見方や考え方を得ることができるという利点もあります。
そのため本企画ではサイエンスカフェという形式をとります。

  • サイエンスカフェでは、カフェのように音楽をかけお茶やお菓子を用意することで気軽に意見が出せる雰囲気を演出します。
  • サイエンスカフェでは、カフェやバーのように少人数掛けテーブルを用意し少人数のグループを形成することで、どの参加者も話し合いに参加しやすくします。
  • サイエンスカフェではグループワークが滞りなく進むよう、学生がファシリテーターとして話し合いの支援を行います。ファシリテーターは話しやすい雰囲気を作り、様々な意見が共有できるよう促します。また、付箋に話し合われた内容を要約して模造紙に貼ることで、議論の可視化を行い参加者の理解を深める支援も行います。

3.企画概要

【実施日時】         2011年3月19日(土)13:30-17:30
【場所】                北陸先端科学技術大学院大学(JAIST) マテリアルサイエンス研究科小ホール(マップ)
【対象者】             能美市内の企業関係者、テーマに関心を持つ人
【定員】                20名〜30名
【開催】                JAISTサイエンスコミュニケーション研究会(主催)、能美市役所(共催)、
能美機器協同組合能美改革実践塾(協力)
【参加費用】       無料
【プログラム】  

13:30  開会挨拶
13:35 大学と地域 <中森義輝教授(JAIST知識科学研究科)>
13:50 サイエンスカフェの概要の紹介  <樽田泰宜(JAIST知識科学研究科博士後期課程)>
14:05 アイデア発想について <牧野逸夫氏(JAIST知識科学研究科博士後期課程)>
14:30 アイデア発想の体験 <参加者一同>
16:20 サイエンスカフェ形式のグループワーク <参加者一同>
17:30 閉会挨拶

【申込方法】

参加希望者は、1) 名前、2) 所属、3) 連絡先(電話番号またはメールアドレス)を下記の連絡先までお送りください。

4.備考

プログラムの「アイデア発想体験」で取り組む題材は、本学で用意いたします。
本企画で共有されたアイデアに関しては、特許出願する方がいる可能性を考慮し、3ヶ月間の秘密保持を参加者全員にお願いします。なお、発想されたアイデアは発想した人に帰属します。
今回のサイエンスカフェは、能美市と北陸先端科学技術大学院大学の学官連携協定に基づき実施されるものです。

5. 連絡先

 

北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科 博士後期課程
樽田泰宜(JAISTサイエンスコミュニケーション研究会代表)
Email:y-taruta(*)jaist.ac.jp :*を@に変換してください.

能美市学官連携協定によるサイエンスカフェ概要

 

 

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