連絡会議幹事会第10回会合メモ
日時: |
2008年5月14日
17:00 - 19:30 |
場所: |
北陸先端大 東京サテライトキャンパス |
出席者: |
福山秀敏、中津健之、平尾公彦、川島直輝、香山正憲、赤井久純、榊茂好、常行真司、三浦謙一、三間圀興、加藤千幸、寺倉清之、佐藤三久、関根仁博(オブザーバ) |
議題
- 運営体制に関する私案(関根)
- 理研開発本部の近況(中津)
- 運営体制に関する議論
- T2Kについて(佐藤)
1.次世代スパコン運営体制に関する私案(関根)
- 4月の第4回作業部会では次世代スパコンの共用に関する議論が行われた。5月21日の第5回作業部会では拠点形成に関する議論が行われる予定。それに向けて、文科省内で基本的な考え方の整理を行っている。文科省の中の考え方は、まだ固まっているわけではなく、なお流動的である。
- 次世代スパコンの利用は、戦略的利用と一般的利用に区分
- 戦略的利用については
- 戦略目標と戦略分野を、国(具体的には例えば審議会)が決める。また、それに沿った戦略機関を国が決める。
- 戦略機関には研究費(委託費)の支弁を検討する。
- 連絡推進会議の設置
国、登録機関、設置者としての理研、および戦略機関の間を有機的に機能させるため
- 戦略的利用に関する登録機関の役割は、戦略機関からの次世代スパコンの利用に係る申請を受けて、その審査を行う。
2.上記の報告に対して、種々の質問や意見が出た。主なものは以下の通り。
- 戦略機関への研究費(委託費)の支弁は新しい考え。新しい仕組みが必要か(福山)。
制度の変更は必要なく、予算要求で対応可能(関根)。
- 戦略機関に選ばれたら、その期間は?(三間)
原則3年程度で評価の上で、次のステップ(関根)
- 3年では人材育成などには短すぎないか(三間)
- 全体をまとめる役割の連絡推進会議は組織ではなく単に会議に過ぎない。また理研の役割が見えない(平尾)。
- 登録機関の役割以外で、運営に関する作業は理研が担当。戦略機関を国が決定するという点、研究費としての委託費の持つ制約、などの問題がある(中津)。
- 国(審議会)の位置づけを、例えば組織に対する福山私案の図(本メモの最後に示す)の中で位置づけると考えが明確になる(寺倉)。
- 核融合分野では、ITERの運営に関して、科学技術学術審議会の核融合研究作業部会(国に対応:トップダウン)に対して、ボトムアップの核融合エネルギーフォーラムを設置するという案がある(三間)。
- 一つの戦略分野に複数の戦略機関があってもよい。ユーザーからのボトムアップとしてフォーラムを作る議論もある(関根)。
- 戦略課題と一般課題の割合はどうなるか(香山)。
一般課題の重みが大きいのではないか(関根)。
- 戦略機関として、特定の研究機関だけを指定するのではなく、それに関連するある程度のかたまりを指定するというのが望ましい(香山)。
3.理研開発本部の近況(中津)
- 拠点形成によって目指すべきものは、
- 集中(拠点)と分散(遠隔利用)の共存
- 拠点には人的集積も図り、利用者支援なども充実させる。
- 連携・融合も、拠点が積極的にかつ責任をもってそれを推進するのでなければ実効は期待できない。
- 福山私案における、全体を包括的に判断するような運営委員会も登録機関内に設置し、そこで、戦略分野や戦略機関も決めるのでよいのではないか。
- 神戸拠点はバーチャルなもので、その運営は登録機関の交付金による。
4.T2Kについて(佐藤)
http://www.open-supercomputer.org/
- 筑波大学、東京大学、京都大学が共通仕様をメーカーに発注したが、導入の手続きは個別に行われた。T2Kの3センターで、相互乗り入れによるグリッド運用、ファイル共用が行われる。
- 筑波大学のシステムはCray Japan が設置。648
nodes (10,368 cores), 95 TFLOPS。
東京大学は日立HA8000、京都大学は富士通HX600。全体として約300
TFLOPS。
- 平成20年6月より稼動。
- 例えば、筑波大では、優先ユーザ、占有ユーザ、学際共同利用、などのいくつかの利用形態を導入。特に、学際共同利用では、ユーザが計算機科学の専門家とチームを組むことが条件であるが、年間100万円の使用料で、数TFLOPS
から数十TFLOPSの計算が可能となるように設定される。
- 次世代スパコンに向けた超並列計算などへの対応は、T2K
の計算機資源の活用で実行できる。
付録:次世代スパコンの運用のための組織に関する福山案
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