Neteco07 Poster (Y.Hayashi)
第3回シンポ ポスター発表概要
3月16日(月) ポスター発表
- 長谷川 雄央, 根本 幸児(北海道大学大学院理学研究科)
- 題目:端点付きスケールフリーネットワーク上のイジングスピン系
- 概要:
Scale Free Network(SFN)上のイジングモデルはこれまでに理論、数値計算の双方から研究されてきた。その結果、スケールフリーネットワーク上のイジングモデルは有限温度で常に磁化しているという性質が報告されてきた。しかしこれまでの研究は端点(次数1の点)が無いものと仮定している。現実のネットワークでは、端点の存在がしばしば目を引く。膨大な端点の存在はSFN上の協力現象の振舞いを全く異なるものに変える可能性がある。我々はループのない、端点付きのSFN上のイジングモデルの磁化、感受率を計算した。その結果はこれまで研究されてきた端点のないSFN上のイジングモデルの振舞いとは全く異なるものである。詳細を報告する。
- 豊田 規人(北海道情報大学経営情報学部)
- 題目:囚人のジレンマゲームに基づいたネットワーク成長
- 概要:ゲームダイナミックスに基づいたネットワークの成長をコンピューター実験及び理論的考察を行なう.
- 津谷 篤(山形大学大学院理工学研究科)
- 題目:パレートの法則が成り立つときの商品ネットワーク探索
- 概要:縦軸を売上,横軸を売上順位としたグラフでは,一般にベキ分布やパレートの法則が成り立つといわれている.これら法則を成り立たせている原因としては様々な事柄が挙げられるが,その中に商品間のネットワークがある.この発表では,典型的な消費者モデルを用意したときに,商品間のネットワークがどのような構造であれば,一般的とされている売上図の形状になるかをさぐる.
- 佐藤 恵介, 林 幸雄(北陸先端科学技術大学院大学)
- 題目:ネットワーク解析および可視化ツールPajekについて
- 概要:大規模ネットワーク解析可視化ソフト「pajek」の機能やコマンドを元にした使用方法を簡単に紹介する。これらの機能の意味や応用を議論したい。各種の助言をいただけたら幸いである。
- 大川 徹,堀越 博之,渡邉 潤,寺本 直洋,上林 憲行(東京工科大学メディア学部)
- 題目:大学生を対象としたソーシャルネットワーク分析
- 概要:大学生を対象に,以下の2つについて「ソーシャル・キャピタル(social capital):SC」を中心テーマに調査を行った. 1つは,SCの傾向を見出し,それを高める要因の発見である.調査には,米社会調査(General Social Survey:GSS)の手法を基にした学生版GSSを構築した.学生版GSSには,SCを高める要因を明らかにするためにサークル経験,アルバイト経験,演習講義経験,住居形態の質問を加えた.その結果,サークルまたはアルバイトの経験がSCを高める要因になり、どちらもしている人はさらに高くなることが明らかになった.
さらに,ネットワーク分析ツールを用いて,卒業研究プロジェクトにおけるネットワーク内の人間のつながりや特徴を明らかにした.「グループ単位での活動の有無」「接触頻度の違い」「組織内のつながりの強さ」「研究生と先生とのつながり」等の観点から組織形態の異なる卒業研究プロジェクトを対象にネットワーク構造,ネットワーク分析指標に基づいて比較研究を行ったので,その研究結果を報告する.
- 井上 寛康(同志社大学), 相馬 亘(NiCT/ATR), 玉田俊平太(関西学院大経営戦略研究科)
- 題目: 日本の共同出願特許ネットワークにおける地理的特性
- 概要: 特許データには複数の出願人が含まれうるが,それら出願人の間にリンクがあるとするネットワークを扱う.この出願人の大部分は企業である.このネットワークの分析により,企業におけるイノベーション,特にオープンイノベーションの議論を行う.このような共同出願関係は,オープンイノベーションのダイナミクスの一部ではあるが,特許権料を支払って行われるため,強い意味を含むといえる. 1994-2003年の特許データベースによる約7万社,約11万リンクのネットワークを求め,そこに対して,業種別,系列別,地域別等の視点から議論をする.日本のオープンイノベーションの進行状況などが把握された.
- 松久保 潤(北九州工業高等専門学校), 林 幸雄(北陸先端科学技術大学院大学)
- 題目:無線アドホックネットワーク上のカスケード故障シミュレーション
- 概要: 無線ネットワーク上でカスケード故障の数値実験を行い,その振舞いを解析する.
- 寺本 直洋, 上林憲行(東京工科大学学メディア学部)
- 題目:携帯電話とSNSに基づいたコミュニケーション世界のソーシャル・キャピタル比較
- 概要:携帯電話やSNSに基づいた世界は現実世界の傾向が投影されているのかの検証と、それぞれの世界の特質を明らかにするために、ネットワーク分析の手法を活用して、携帯電話とSNSに基づいたコミュニケーション世界のソーシャル・キャピタルの比較・分析を行った。ソーシャル・キャピタルの測定は、GSSに基づき、携帯電話のアドレス帳に登録されている知人リストと、SNSの知人リストという回答の対象範囲を設定して測定を行った。その結果、知人数と実効サイズは携帯電話のリストを対象範囲にした世界が高く、密度は低かった。挙げられた知人の年齢層に着目すると、本人より若い人から、両親のような人まで幅広く挙げられており、現実世界に近い傾向が見られた。一方、SNSの世界は、同世代の人が大半を占め、同質的なネットワークであることが見受けられた。このことから、携帯電話に基づいた世界のエゴセントリック・ネットワークは、SNSを対象にした世界に比べて多様性があり、開放的であるという傾向であった。
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