社会サービスの外部委託
ポスト資本主義社会の組織は, 本業に焦点を合わせた仕事, 成果に結び付く仕事,
自らが価値を認め, 認知し報いる仕事に対してのみ集中し, 成果をあげ, 収益を
得ていく.
他の仕事は, すべて「外部委託」するのである.
<外部委託の必要性>
組織の価値(本業の成果や昇進)に合致しない領域の仕事に対して,
サービス労働者そのものを
「外部委託」することで生産性を向上できる.
例えば, 米国のある病院では, ベットメイキングと床掃除を委託した結果,
メンテナンスコストとベットメイキングの時間をともに1/3に削減した.
<サービス労働者の尊厳の確保>
「外部委託」によって, サービス労働者に敬意を払い, かつ, 仕事そのものの
改善や生産性の向上に関して, 彼らにリーダーシップを発揮させることで,
サービス労働者に機会と収入と尊厳を与えることができる.
新たな意義のある「市民性」の回復の「核」となるよう,
コミュニティを変革し, 人間を変革する
社会サービスにとっても,
「外部委託」は必要.
林 幸雄
(yhayashi@jaist.ac.jp)
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