また, 電子書籍は断片的であって, 潜在的な可能性を秘めたテキストである. それは有機的で一方向へ発展していく全体, といったものではなく, むしろ 自己完結的なユニットの系列である. それは絶え間ない再組織化の中にある. パターンを作り, 配置を作り, 作ったものは常に崩壊して, 新たに結び付いて 新しいパターンとなる危険をはらみ, この緊張によって文書を書く上での統一 ということの新しい定義が導かれる.
電子テキストに統一性や一貫性があるとすれば, それは電子テキストの中の あらゆる言語的要素の関係が, 絶えず移動しているということから生じるもの なのだ.
電子テキストは意味, 構造, 視覚的表示といった要素が 根本的に不安定になった最初のテキストだ.