日本認知科学会・対話と学習研究会・第44会研究会

テーマ: 問題発見活動としてのレポートライティング

日時 8月26日(木)13:00~17:00
場所 東京大学本郷の赤門総合研究棟A200号教室
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_08_02_j.html



開催趣旨

 論文や報告書,レポートを書くという行為は,一般的には,自分が解決した問題や発見した現象を,社会に告知するという「社会的活動」とみなされる。しかし,文章を構成する過程で,すでに自分の中で自明であったことを別の角度から眺めてみたり,それまで結びついていなかった事象間の関連性に気づいたりして,すでに発見したことに新たな発見が加わる,再発見が起こるということが少なくはない。つまり,この種の文章を産出するという活動は,社会的活動であると同時に,極めて「認知的」な活動でもあるということである。
 日本の大学生の文章構成力の貧しさが指摘される中で,レポートライティングを教育課程にくみ込んでいる大学は少なくないものと思われる。そこでは,レポートのような形式化された文章のお作法とは何か,どのように書けばわかりやすく伝わるかといった,いわゆるレポートの「書き方」に関する実践的研究はこれまでも数多くの蓄積がある。しかし,レポートライティングを,上記のような「認知的活動」と捉え,その活動のプロセスを理解しようとする「科学的研究」,さらにはどのようにしたらそれを促進できるのかといった「工学的研究」は必ずしも多くはない。
 本研究会では,この「認知的活動」の中でも,そもそも何が問題で,それはなぜ問題なのかということに気づき,理解するプロセス,いわゆる「問題発見」に焦点を当て,問題発見活動としてのレポートライティングを取り上げ,議論を深めたい。


プログラム

13:00
企画趣旨三輪和久(名古屋大学)
13:10 「レポートライティングの問題設定における直感と感情」鈴木宏昭(青山学院大学)
13:55「大学初年次教育の中のレポートライティング指導の実践例」
向後千春(早稲田大学)
14:40 休憩
15:00 方法論論(ほうほうろんろん)あるいはmethodologylogy」
戸田山和久(名古屋大学)
15:45「協調的に説明し作文することが一人ひとりの理解を深める過程」 白水始(中京大学)
16:30総合討論


参加費・参加方法

日本認知科学会
SIGLALホームページ