ちょっと偏ったPS/2→USB変換アダプタ選び

USB専用のKVMスイッチでPS/2キーボードを使うために、PS/2からUSBへの変換アダプタをいくつか試してみた。誰の役に立つかはわからないが、その結果を報告しておく。

すべてはPD-KB02を使うために

Happy Hacking KeyboardといえばPD-KB02である。 PS/2、Sun、ADBと三つのインターフェイスを持っているが、今やPS/2以外は使い道がなくなってしまった。 このキーボードをUSB専用のKVMスイッチで使いたかったので、PS/2からUSBへの変換アダプタを試してみることにした。 USBならHHKB Professionalにすればいいと思うかもしれないけど、僕にとってはあれはぜんぜん別物なんだよね。

USB専用のKVMスイッチを使いたい理由は、チルトホイールとたくさんボタンのあるマウスを使いたかったから。 だから、変換アダプタにつなぐのはPD-KB02だけで、マウスはLogitech MX400をUSBのまま使用する。 KVMスイッチには、多機能マウスとDVIに対応するATENのCS-1762を採用した。 CS-1762を介してつなぐ相手は、Windows XPのPCとSolaris 9のSun Blade 1500である。

接続図

試した変換アダプタ以下のとおり。

Y-mouse Keyboard & Mouse Adapter for USB

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これはもともと、PS/2対応のATEN CS-84AでSun Bladeシリーズを利用するために導入した。 PD-KB02→CS-84A→Y-mouse→Sun Blade 100/150/1500とつないだときには、OpenBootがキーボードを正しく認識してくれた。 しかし、PD-KB02→Y-mouse→CS-1762→Sun Blade 1500では、Keyboard not presentになってしまう。 これはたぶん、この変換アダプタよりはCS-1762の問題だろう。

この製品には、シフトキーやコントロールキーを長時間押していると、勝手にリリースされる問題がある。 他に、PD-KB02の◇キー、つまり変換と無変換のキーがWindowsに渡らないという問題もある。 SolarisのX Window Systemにはきちんとキーコードが渡っていて、xmodmapでキーシムを割り当てるとちゃんと使えるだけに不思議である。

サンワサプライUSB-CVPS1

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変換するのはキーボードかマウスの一方だけという、今回の目的にはぴったりの製品だ。 日本で普通に売っている商品だけに、無変換と変換がWindowsに渡らないなどということはない。

しかし、無変換/変換とシフト/コントロールの同時押しをするときには、無変換/変換を先に押さないと無変換/変換が無視されてしまう。 僕は、Windowsでは無変換を左Altに、X Window SystemではMeta_Lに割り当てていて、シフトやコントロールとよく同時押しする。 その際に、意識して無変換を先に押さなければならないのがつらい。

それと、ごくたまにだが、キーボードがまったく反応しなくなり、いったんKVMスイッチの本体のスイッチでコンソールを切り替えるまで元に戻らないことがある。

すまいるSA-USB2PS

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無変換/変換はきちんとWindowsに渡るけれども、これもシフト/コントロールとの同時押しの順序にUSB-CVPS1と同じ制約がある。 順序に制約があるだけでなく、さらにもう一つキーを押すと、無変換/変換がリリースされてしまう。 無変換をMetaにしてControl+Meta+Fを連続で入力するときに、他の二つを押し下げたままFを連続で入力すると、一回目のFでMetaがリリースされて次からはControl+Fになってしまう。

オールエイ AL-USBPS2

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この製品は無変換/変換を押すと、押した瞬間に一度リリースされてもう一度押される。 その状態でコントロール/シフトを押すと、無変換/変換がリリースされてしまう。 逆にコントロール/シフトを押したまま無変換/変換を押すと、無変換/変換が勝手にリピートする。 これでは無変換/変換とコントロール/シフトの同時押しを利用したキーコンビネーションは、まともに利用できない。 また、普通のキーのリピートが最初に一瞬もたつくという欠点もある。

Arvel AU01-PSG

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PS/2コネクタが一つだけということ以外は、オールエイAL-USBPS2とまったく同じ振る舞いをする。

ノーブランド RC-U2MK

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ノーブランドの中国産なのであまり期待していなかったのだが、予想に反して極めて普通だった。無変換/変換の挙動は普通のキーと同じだし、コントロール/シフトとの同時押しも普通に行える。キーリピートの遅延もない。

このページを読んでRC-U2MKを試したところ、ほかのアダプタではうまく変換できなかったキーボードがうまく変換されたという声が寄せられている。 ひょっとしたら神変換アダプタなのかもしれない。

総論

無変換/変換を普通のキーと同じように扱ってくれる変換アダプタが、こんなに少ないとは思わなかった。 とはいえ、無変換をMetaとして使って、Control/Shift+Meta+αというキーコンビネーションを多用するから問題になるだけで、普通に使う分にはY-mouse以外の製品は問題なく使えると思う。

とりあえずSolaris 10にしようね

Solaris 9はブート時や変換アダプタを抜き差ししたときに、変換アダプタにマウスを挿していなくても、変換アダプタとMX400の両方をマウスとして検出して、Muitiple mice not supportedと怒り、マウスを受け付けなくなってしまうことがある。 これは変換アダプタに依存せず発生する。一度発生したら、何度かリブートしないと復活しない。 Solaris 10 1/06リリース以降では、複数のマウスを受け付けるようになっているので、この問題は発生しないらしい。


藤枝@JAIST

Last modified: 2008/02/20 22:38:09 JST